2020年2月、オンライン商談システム『bellFace』を提供するベルフェイスが52億円を調達した。導入企業数は2,000社を突破。新型コロナウイルス感染症で外出自粛が求められる影響もあり、オンライン商談のニーズは高く、世界的に経済成長が鈍化する中でもユーザー数を伸ばしている。2020年5月には、リモート環境での営業活動を支援すべく、60日間の無料トライアルを開始した。『Zoom』や『Google Meet』、『Skype』といった世界的なWeb会議システムがしのぎを削るなか、ベルフェイスの挑む市場は、一見はレッドオーシャンのようだ。しかし、代表取締役の中島一明氏は「戦う領域が違う」と断言する。なぜなら、『bellFace』は「セールスに特化したWeb会議システム」ではなく、「電話営業の進化版」だからだ。実は中島氏にとって、ベルフェイスは二度目の起業。21歳でディーノシステムを創業し、動画広告サイト『日本の社長.tv』を全国展開させたが、28歳で解任。2015年、次なるチャレンジとしてベルフェイスを立ち上げた。中島氏の事業哲学を表すと、「地に足が着いた」という言葉が似合う。「大手にとっては小さすぎる」成長市場への狙い撃ち、“お客様のお客様”を考慮したターゲット選定、「ユーザーがユーザーを呼び込む」ビジネスモデルの構築……「オンライン商談システム」のパイオニアとしての地位を築き上げた経緯からは、その事業哲学が浮かび上がった。
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